在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~
独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
顔をあげて
週一で家にきてくれるリハビリの先生が
「おっ、これは・・・!」
と声をあげた。
洗面所に貼った紙を見つけたのだ。
母が得意げに
「イタリア語です!」
と答える。
洗面所の鏡の前で、母は立つ練習をする。
手すりを持ってヨロヨロ立ちながら
「1,2,3・・・」
と数をかぞえて30秒到達が目標。
それを
「ウノ、デゥエ、トレ・・・」
とイタリア語で数えるのが母のマイブームだ。
学生時代にちょっとかじったから10までは覚えてる。
「でも11より先はちっともわからない」
ということで、イタリア語の11から20までを紙に書き、貼っておいた。
リハビリをのときよく見える位置に。
「これで20までは数えられるね!早く覚えなくちゃ!」
母は喜んだ。
そしてはりきった。
手すりを持って立ちあがり、
「ウンディチ、ドーディチ、トレーディチ・・」
と数えはじめた。
驚いたことに、姿勢がすーっとよくなった。
文字を読もうと顔をあげるから、背筋が伸びるのだ。
リハビリの先生もびっくりして
「こんなの初めてみた」
と、のたまった。
「立位とイタリア語をいっぺんに練習するなんて!
見てください、左足もきれいに伸びて、ちゃんと力が入ってますよ」
母はもう得意で得意でしょうがない。
しっかりと顔をあげて
「ディチャセッテ、ディチョット、ディチャンノーヴェ、ベンティ!」
大きな声で数えた。
1週間がかりで7割がた覚えた。
完璧にクリアしたら、次は20~30を張り出す予定だ。
ついでにテレビのイタリア語講座を録画して
「グラッツェ・ミーレ!」
「ノノ・グラッツェ・アテー!」
とか、くりかえしてる。
「楽しいね。嬉しいね。
いくつになっても勉強は楽しいね」
母はしみじみという。
いくつになっても。
脳みそをケガしても。
身体の自由がきかなくなっても。
人生は楽しんだもの勝ちだ。
宗教勧誘がうるさくて昼寝できへんかった!
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と声をあげた。
洗面所に貼った紙を見つけたのだ。
母が得意げに
「イタリア語です!」
と答える。
洗面所の鏡の前で、母は立つ練習をする。
手すりを持ってヨロヨロ立ちながら
「1,2,3・・・」
と数をかぞえて30秒到達が目標。
それを
「ウノ、デゥエ、トレ・・・」
とイタリア語で数えるのが母のマイブームだ。
学生時代にちょっとかじったから10までは覚えてる。
「でも11より先はちっともわからない」
ということで、イタリア語の11から20までを紙に書き、貼っておいた。
リハビリをのときよく見える位置に。
「これで20までは数えられるね!早く覚えなくちゃ!」
母は喜んだ。
そしてはりきった。
手すりを持って立ちあがり、
「ウンディチ、ドーディチ、トレーディチ・・」
と数えはじめた。
驚いたことに、姿勢がすーっとよくなった。
文字を読もうと顔をあげるから、背筋が伸びるのだ。
リハビリの先生もびっくりして
「こんなの初めてみた」
と、のたまった。
「立位とイタリア語をいっぺんに練習するなんて!
見てください、左足もきれいに伸びて、ちゃんと力が入ってますよ」
母はもう得意で得意でしょうがない。
しっかりと顔をあげて
「ディチャセッテ、ディチョット、ディチャンノーヴェ、ベンティ!」
大きな声で数えた。
1週間がかりで7割がた覚えた。
完璧にクリアしたら、次は20~30を張り出す予定だ。
ついでにテレビのイタリア語講座を録画して
「グラッツェ・ミーレ!」
「ノノ・グラッツェ・アテー!」
とか、くりかえしてる。
「楽しいね。嬉しいね。
いくつになっても勉強は楽しいね」
母はしみじみという。
いくつになっても。
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パンにバターを
朝食はパン派だ。
トーストにバター(か、マーガリン)を塗るのが母の朝の仕事。
片手だからときどきパンが逃げちゃうんだけど。
毎朝せっせと塗ってくれる。
「ハイできた!」
差し出されたパンを見て、私はいつも
「あと半分」
といって返す。
母は左側を認識できないため、いつもパンの右半分にしか塗れていないのだ。
「ぜんぶ塗れたと思ったらパンをくるっと回してね。
塗れてない部分がでてくるから」
と教えるのだけれど。
母は新しいことを覚えるのが難しいから。
毎朝毎朝、半分だけバターを塗って
「ハイできた!」
「あと半分」
を繰り返す。
毎朝、毎朝。
7か月間くりかえしてきた。
毎朝、毎朝。
儀式のように。
「あと半分」
それが7か月目にして初めて、
「ハイできた!」
できてる!
だいたいぜんぶ塗れてる!
「くるっと回したもん」
母は得意そうだ。
病院では
「順調に回復するのは発症から1年まで。
1年を過ぎるともうほとんど進まない」
みたいなことをお医者にいわれた。
母は発症から1年は過ぎたけど、もっと。
もっといける。
新しいこと、覚えられる。
そう思えて嬉しかった。
たかがパンにバターを塗るだけの話なんですけれどね。
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片手だからときどきパンが逃げちゃうんだけど。
毎朝せっせと塗ってくれる。
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差し出されたパンを見て、私はいつも
「あと半分」
といって返す。
母は左側を認識できないため、いつもパンの右半分にしか塗れていないのだ。
「ぜんぶ塗れたと思ったらパンをくるっと回してね。
塗れてない部分がでてくるから」
と教えるのだけれど。
母は新しいことを覚えるのが難しいから。
毎朝毎朝、半分だけバターを塗って
「ハイできた!」
「あと半分」
を繰り返す。
毎朝、毎朝。
7か月間くりかえしてきた。
毎朝、毎朝。
儀式のように。
「あと半分」
それが7か月目にして初めて、
「ハイできた!」
できてる!
だいたいぜんぶ塗れてる!
「くるっと回したもん」
母は得意そうだ。
病院では
「順調に回復するのは発症から1年まで。
1年を過ぎるともうほとんど進まない」
みたいなことをお医者にいわれた。
母は発症から1年は過ぎたけど、もっと。
もっといける。
新しいこと、覚えられる。
そう思えて嬉しかった。
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「介護なんてゼッタイ無理!」
私は深夜のバイトに行っている。
新しい職場の人たちにまず訊かれたのがこの質問。
「だださんって昼間は何をしてるんですか?」
・・・嫌だなこの質問。
と思いながらも、親の介護をしています、と答える。
反応はだいたい2通り。
「大変ねえ」
と同情をされるか、
「うちにもおじいちゃんがいてね」
と介護話になるか。
でも昨日、若い女の子の答えはちょっと違った。
「えええ! 介護ですかぁ?
えらいなー。
私だったら絶対にできません。
無理無理、ゼッタイ無理!」
甘いな、お嬢さん。
無理とか関係ないんだよ。
できるできないの問題じゃないよ。
介護はやらなくちゃいけなくなるものなんだよ。
うちの母も、在宅で介護するのは無理だろうと言われていた。
リハビリ病院のドクターからも療法士さんからもケースワーカーさんからも断言された。
「無理ですよ」
って。
「老人ホームを探しましょう」
って。
ああ無理なんだと思っていくつか申し込んだ。
1か月くらい待てば入れそうなところがあったから見学に行った。
正直、あんなところに入るくらいなら死んだほうがマシだと思った。
(探せばもっと良いところがあると知ったのは後になってからだった)
母を棄てるようなことはどうしてもできず、在宅介護に決めたのだ。
うちのオヤジも「介護なんてゼッタイ無理!」なタイプだった。
自分のこともできないのに人の面倒なんてみられないと言い切った。
「俺には無理!」
それが今では。
ごくたまにだけどオムツ交換にトライするところまでに成長した。
人間やればできるもんだ。
他の方の介護ブログを読んでいると実にさまざまだ。
認知症の方の介護なんて本当に大変で頭が下がる。
私にはできないかも・・・って思う。
すごく不安になる。
でも。
できるできないじゃない。
やらなければいけなくなる。
嫌でもふりかかってくる。
そしていつかは、自分がしてもらう側になる。
それが介護だと思ってる。
毎日楽しいし、母はおもろいし、私はそれなりに幸せだけど。
一生、誰のオムツも替えないで終わる人もいるんだよね?
私には想像もつかない。
・・・ちょっとうらやましい。
新しい職場の人たちにまず訊かれたのがこの質問。
「だださんって昼間は何をしてるんですか?」
・・・嫌だなこの質問。
と思いながらも、親の介護をしています、と答える。
反応はだいたい2通り。
「大変ねえ」
と同情をされるか、
「うちにもおじいちゃんがいてね」
と介護話になるか。
でも昨日、若い女の子の答えはちょっと違った。
「えええ! 介護ですかぁ?
えらいなー。
私だったら絶対にできません。
無理無理、ゼッタイ無理!」
甘いな、お嬢さん。
無理とか関係ないんだよ。
できるできないの問題じゃないよ。
介護はやらなくちゃいけなくなるものなんだよ。
うちの母も、在宅で介護するのは無理だろうと言われていた。
リハビリ病院のドクターからも療法士さんからもケースワーカーさんからも断言された。
「無理ですよ」
って。
「老人ホームを探しましょう」
って。
ああ無理なんだと思っていくつか申し込んだ。
1か月くらい待てば入れそうなところがあったから見学に行った。
正直、あんなところに入るくらいなら死んだほうがマシだと思った。
(探せばもっと良いところがあると知ったのは後になってからだった)
母を棄てるようなことはどうしてもできず、在宅介護に決めたのだ。
うちのオヤジも「介護なんてゼッタイ無理!」なタイプだった。
自分のこともできないのに人の面倒なんてみられないと言い切った。
「俺には無理!」
それが今では。
ごくたまにだけどオムツ交換にトライするところまでに成長した。
人間やればできるもんだ。
他の方の介護ブログを読んでいると実にさまざまだ。
認知症の方の介護なんて本当に大変で頭が下がる。
私にはできないかも・・・って思う。
すごく不安になる。
でも。
できるできないじゃない。
やらなければいけなくなる。
嫌でもふりかかってくる。
そしていつかは、自分がしてもらう側になる。
それが介護だと思ってる。
毎日楽しいし、母はおもろいし、私はそれなりに幸せだけど。
一生、誰のオムツも替えないで終わる人もいるんだよね?
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