在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~
独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
国語の教科書
きのう、出かけようとしたら雨が降っていた。
ひさしぶりの雨だ。
ひさしぶりすぎて傘が見つからない。
傘、傘、傘・・・と探していたら、ふと
『おじさんのかさ』
というタイトルが頭に浮かんだ。
小学校1年の国語の教科書、
つまり生まれて初めての教科書にのっていた話だ。

調べてみれば、佐野洋子さんの本だった。
学校に入って最初に出会うこの物語を、妹が声にだして読んでいたことを思い出す。
晩ごはんをつくる母に聞かせながら、何度も何度もくりかえし読んでいたっけ。
「雨がふったらポンポロポン、
雨がふったらピッチャンチャン・・・」
考えてみれば教科書ってすごいインパクトがある。
子供の頃の出会いは永遠だからだ。
数学の教科書は完全に無視してたし
英語の教科書なんて入試がおわったその日のうちに捨ててしまったけれど
国語だけは隅々まで読んだものだ。
教科書なら取り上げられる心配がないから、授業の暇つぶしによく読んでいた。
『坊ちゃん』に『舞姫』。
『走れメロス』は友達とふざけてパロディを書いたっけ。
高村光太郎の『智恵子抄』に感動したし
室生犀星の『ふるさとは遠きにありて思ふもの』は今でも暗唱できるくらい好きだ。
教科書は、ふだん馴染みのない俳句もわかりやすく読みやすく解説してくれる。
芭蕉、蕪村、一茶。
正岡子規に高浜虚子。
種田山頭火、水原秋桜子、中村草田男・・・。
国語の教科書には、日本の心が詰ってる。
大和魂が詰ってる。
オーストラリアに住む姪っ子たちが日本の学校に通うことができなくても
国語の教科書だけは送ってやろう。
雨を眺めながらそんなことを考えた。
ひさしぶりの雨だ。
ひさしぶりすぎて傘が見つからない。
傘、傘、傘・・・と探していたら、ふと
『おじさんのかさ』
というタイトルが頭に浮かんだ。
小学校1年の国語の教科書、
つまり生まれて初めての教科書にのっていた話だ。
調べてみれば、佐野洋子さんの本だった。
学校に入って最初に出会うこの物語を、妹が声にだして読んでいたことを思い出す。
晩ごはんをつくる母に聞かせながら、何度も何度もくりかえし読んでいたっけ。
「雨がふったらポンポロポン、
雨がふったらピッチャンチャン・・・」
考えてみれば教科書ってすごいインパクトがある。
子供の頃の出会いは永遠だからだ。
数学の教科書は完全に無視してたし
英語の教科書なんて入試がおわったその日のうちに捨ててしまったけれど
国語だけは隅々まで読んだものだ。
教科書なら取り上げられる心配がないから、授業の暇つぶしによく読んでいた。
『坊ちゃん』に『舞姫』。
『走れメロス』は友達とふざけてパロディを書いたっけ。
高村光太郎の『智恵子抄』に感動したし
室生犀星の『ふるさとは遠きにありて思ふもの』は今でも暗唱できるくらい好きだ。
教科書は、ふだん馴染みのない俳句もわかりやすく読みやすく解説してくれる。
芭蕉、蕪村、一茶。
正岡子規に高浜虚子。
種田山頭火、水原秋桜子、中村草田男・・・。
国語の教科書には、日本の心が詰ってる。
大和魂が詰ってる。
オーストラリアに住む姪っ子たちが日本の学校に通うことができなくても
国語の教科書だけは送ってやろう。
雨を眺めながらそんなことを考えた。
PR
スポンサードリンク
悪夢
そこは古びた団地だった。
黒雲にすっぽり覆われたように暗い。
壁も手すりもボロボロだ。
廊下にはゴミが散乱し、天井からは蜘蛛の巣がたれさがっている。
・・・こんなところにおじいちゃんは連れてこられたのだ。
チラリと赤が過ぎった。
廊下のつきあたりに、少女が2人、笑いながら立っている。
真っ赤なスカートにおかっぱ頭。
ふたごの姉妹だ。
声もなくにやにや笑っている。
「こっちにおいで」
と手招きしている。
吸い込まれるように女の子のあとを追った。
廃墟のような4畳一間に祖父がとじこめられていた。
畳がカビている。
女の子の姿は見えない。
「逃げよう!」
私は祖父の手をとって部屋からとびだした。
・・・追っ手はすぐそこまで来ている。
私たちは『何か恐ろしいもの』から逃げていた。
「おじいちゃん、走って!」
だが祖父はなかなか動かない。
いっしょうけんめい引っ張るが、重くて重くて仕方がない。
祖父がはじめて口をきいた。
「違うんや」
何が違うの!
祖父の顔を見た。
おじいちゃんは昔と変わらぬ銀髪で、上品な服装をして、疲れた顔で私を見上げた。
それでもなんとか私たちは団地を脱出し、家に帰りついた。
「おじいちゃんを連れて帰ってきたよ」
報告すると、母は
「あんた何いってるの?
おじいちゃんはとっくの昔に」
とっくの昔に。
死んでいる。
私は誰を連れて帰ってきたのだろう。
黒雲にすっぽり覆われたように暗い。
壁も手すりもボロボロだ。
廊下にはゴミが散乱し、天井からは蜘蛛の巣がたれさがっている。
・・・こんなところにおじいちゃんは連れてこられたのだ。
チラリと赤が過ぎった。
廊下のつきあたりに、少女が2人、笑いながら立っている。
真っ赤なスカートにおかっぱ頭。
ふたごの姉妹だ。
声もなくにやにや笑っている。
「こっちにおいで」
と手招きしている。
吸い込まれるように女の子のあとを追った。
廃墟のような4畳一間に祖父がとじこめられていた。
畳がカビている。
女の子の姿は見えない。
「逃げよう!」
私は祖父の手をとって部屋からとびだした。
・・・追っ手はすぐそこまで来ている。
私たちは『何か恐ろしいもの』から逃げていた。
「おじいちゃん、走って!」
だが祖父はなかなか動かない。
いっしょうけんめい引っ張るが、重くて重くて仕方がない。
祖父がはじめて口をきいた。
「違うんや」
何が違うの!
祖父の顔を見た。
おじいちゃんは昔と変わらぬ銀髪で、上品な服装をして、疲れた顔で私を見上げた。
それでもなんとか私たちは団地を脱出し、家に帰りついた。
「おじいちゃんを連れて帰ってきたよ」
報告すると、母は
「あんた何いってるの?
おじいちゃんはとっくの昔に」
とっくの昔に。
死んでいる。
私は誰を連れて帰ってきたのだろう。
そこで目が覚めた。
元旦の夜に見た、初夢が悪夢だった。
それからだ。
毎日、毎晩。
悪夢をみてる。
あまり詳しくは覚えていないのだけど。
目が覚めたときに
「ああ怖かった」
とか
「ああイヤな夢だった」
という感情が残る。
悪夢の残尿感みたいな。
墓参りにも行った。
仏壇も掃除した。
それでも悪夢はおさまらない。
体調も悪くないし
仕事も今は楽ちんだし
さっぱり理由がわらかない。
祖父はときどき現れるけど
何も教えてくれはしない。
気持ちが悪くて仕方がない。
言いたいことがあるのなら、ハッキリ言ってくれよ、お爺!
厄除け、行ってこようかなあ・・・。
スポンサードリンク
追いかけるものか、待つものか
こんなナゾナゾがあった。
「走っていると追いつかないのに
立ち止まったらそこに有るもの、なーんだ?」
答えは、『時間』。
急いでいるとアッという間に過ぎてしまうけれど
待ってるときには長く感じる。
無いようで有る。
有るようで無い。
時間。
私たちに残された時間。
サモアの酋長の言葉を思い出した。
『時間というものは
日が昇ってから沈むまで
皆に同じだけ十分与えられたものである』
なのに私たちは
『それを切り刻み,数え,計り,常に時間を苦しみにしている』
追いつかない。
追いつかない。
走って走って息をきらせて
どんなに頑張ってみても、追いつかない。
たまには立ち止まり
待ってみるのもいいかもしれない。
・・・私は、近頃、待ちすぎかもだけど。
(ちなみにおみくじ引いたら『待ち人は来ず』って言われました。
今年も待ってもムダみたい)
「走っていると追いつかないのに
立ち止まったらそこに有るもの、なーんだ?」
答えは、『時間』。
急いでいるとアッという間に過ぎてしまうけれど
待ってるときには長く感じる。
無いようで有る。
有るようで無い。
時間。
私たちに残された時間。
サモアの酋長の言葉を思い出した。
『時間というものは
日が昇ってから沈むまで
皆に同じだけ十分与えられたものである』
なのに私たちは
『それを切り刻み,数え,計り,常に時間を苦しみにしている』
追いつかない。
追いつかない。
走って走って息をきらせて
どんなに頑張ってみても、追いつかない。
たまには立ち止まり
待ってみるのもいいかもしれない。
・・・私は、近頃、待ちすぎかもだけど。
(ちなみにおみくじ引いたら『待ち人は来ず』って言われました。
今年も待ってもムダみたい)
スポンサードリンク