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在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~

独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
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ボランティア、もしくは恩返しすること

私はいい年こいて恥ずかしながら
「ボランティアってよくわからない」
と思っていた。
高校時代にちょっとだけ在籍したボランティア部で先輩たちが
「私たち善い事してあげてる!」
「笑顔にしてあげたいから!」
とキラキラした瞳で語られるのが、ゾッとするほど気持ち悪かったせいかもしれない。
あのボランティア部は本当に、若さ故というか、自己満足と偽善の塊でしかなかったと今でも思う。
「してあげたい」
って何様やねん。

その印象が強すぎて。
ボランティアって嫌なものだと思い込んでいた。
少なくとも、ボランティアしてあげたい、っていうタイプには近づかないようにしてた。

それが間違っていたことに気がついたのは、つい数時間前のことだった。

うちの近所に、Tさんというおばさんがいる。
たしか母と同い年くらいだからもう67、8才だと思う。
Tさんは、なんていうか・・・とっても便利な人だ。
ヘルパー資格をもっていて、介護経験も豊富。
障害者やお年寄りの家族が
 「Tさん助けて!」
って呼ぶとすぐに助けにきてくれる。
学校や福祉団体からもアテにされている。
私も今日、
 「トイレ介助を手伝って!」
と頼んだら二つ返事で来てくれた。
この町の在宅介護家庭でTさんのお世話になったことのない人は一人もいないはずだ。
そして、Tさんは、一円も受け取らない。
完全なるボランティアだ。

Tさんは資格をもってるプロなんだから、ちょっとくらいお金とってもいいのに。
そのほうが私も頼みやすいし。
どうしてボランティアなんかやってるの?

そう尋ねたら。
「私はね、『ちょっと便利なおばさん』になりたいんですよ」
とTさんは答えた。

「昔はいたんですよ、どこの地域にも必ず一人は、面倒見のいいおばさんが。
私は子供を3人育てるときに、その人にものすごくお世話になったの!
下の子がもうすぐ生まれそうっていう時に、上の子が鼻の穴にキン消し?を詰めて出せなくなっちゃってね、私はもう出産近いんで身動きとれなくて。
代わりにそのおばさんが自転車こいで息子を病院に連れていってくれたの」

キン消し!
懐かしい響き!



なんでこんなもの鼻に入れるの?
男の子って・・・。
いや、キン消しはどうでもいい。

「そういことが何度もあってね。
おばさんには、いっぱいお世話になったの。
それこそね、ボランティアでよ。
子育てがひと段落したから、今度は私がお返ししようと思ったら、おばさんに
『あんたもう引っ越したんだから、自分の住む町でやりなさい』
って言われたの。
だからね。
今やってることは、ぜんぶ恩返しなの。
恩返しさせてもらってるの

Tさんはその後ヘルパーを辞めた。
そしてヘルパーさんの入れない仕事、制度の枠外の仕事を、無料でやっている。

「障がい児のヘルパーは今では30分単位だけど、昔は1時間単位でしか仕事に入れなかった。
 たとえば学校の送り迎えとか、たった10分のためにヘルパーを雇うのって勿体なくない?
 そういうときは私を使ってもらって、ヘルパーの時間数は本当に必要なときのためにとっておくの」

それが、ちょっと便利なおばさん、というわけ。

いや、ちょっとじゃないよ!
ものすごく便利なおばさんだよ!

でもやっぱり、ちょっと、気を遣う。
こんなに助けてもらって、私はどうしてお返ししたらいいんだろうって思う。

するとTさんは言う。

「いいんです、いいんです。
先生はね(Tさんは母にバイオリンを習っていたから、今でも先生と呼ぶ)。
先生は今まですっごく大勢の方を助けてこられたわけだから。
それこそボランティアでね。
だから私だけじゃなくて、他の人もみんな、それを今お返ししてしてるんですから」

母が何をしてきたのか、詳しくはしらない。
でもたしかに、あちこちの小学校や施設をまわって演奏会を開いていた。
講演もしてたし、相談員とかいっぱいやってた。
いくつも団体を作ってた。
「一文にもならないのに」
・・・私はずっと、そう思ってた。
母が家をあけてるあいだ、私が家事をしなくちゃいけないので、不満だったこともある。

だけど、そうか。
そうだったのかと。

一文にもならないタダ働きが、好意の蓄えとなって、いま返って来ている。
そして今、助けられているのは、母だけでなく、私自身だ。

Tさんにはトイレ介助をしてもらい、
母の仲間のNさんには母を連れ出してもらい、
隣りの奥さんには買い物をしてもらった。

助けて、助けて、助けられ。
助けられて、また助ける。
その輪をつなげなくちゃいけない。

だからボランティアっていう言葉は、やっぱり私には合わない気がする。
奉仕活動とか社会活動じゃない。
Tさんのようになりたいと思った。
私も「便利なおばさん」になりたい。
・・・恩返しがしたい。

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進む

引越しをすませた叔父が
 
 「今日は新しい門出の日だ!
  ちょっと散髪いってくるわ!」

と出かけていったのですが、叔父の頭はつるつるです。
散髪屋さんはいったいどこを切るのでしょうか。

どうでもいい話ですみません。
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いろいろあって、近頃、家の中がゴタついているのですが。
いろいろあるのはどこの家も一緒みたい、と知りました。
人生いろいろ。
いろいろあるもんです。

でも、そのいろいろを振り返ってみるのは、あんまり意味がないと思うのです。
過去に戻って、もつれた糸を解すことは、できないのです。

私は冷たい人間だ。
ひどい人間だと思う。
過去を思って泣いてる人に、寄り添うことが難しい。
一緒に泣いてあげられない。
・・・ごめんね。
それでも私は前へ進んでいく。

人生は短すぎて、泣いてるヒマなどないのだから。


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家族の檻

「飲まなくちゃやってられない!」
と、言える人はいい。
うらやましいと思う。
飲めない人間からしてみれば。
飲んで忘れることもできない。

下戸の私がいうなれば、今夜は
「チョコレート食べなくちゃやってられない!」
という気分。
まさにそんな気分。



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包丁をくれた伯父さん
いつも助けてくれる叔母さんや
うちは本当に親戚に恵まれていて
足を向けて寝られないほどなのだけれど
それでも中には、面倒くさい親戚もいて
なんだかんだで今日は疲れ果ててしまいました。

血は水よりも濃く重く
時にはひきずる鎖となると。
介護をする人は多かれ少なかれ感じていることでしょう。
家族という名の檻を。


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初めましての方へ

母:高次脳機能障害、要介護5
妹:重度重複障害者
父:天然ボケ
猫:2匹
こんな家での暮らしを綴っています。
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