在宅介護しながらウィーンへ行くブログ～猫とビターチョコレート～

今の私の暮らしは家族サービス100％。
仕事も休んでいるので、２４時間家のことを考えてる。
たまには気分転換しなきゃって思っても、なかなか難しい。
だから・・・旅にでることにした。
本の中の旅に。



ポール・スチュワート『崖の国物語』。
有名なファンタジーシリーズだ。
あまりにも現実とはかけはなれた話なので、以前は読む気が起こらなかったのだが。
今こそ、この本を読む時だ。
ファンタジーの力をかりるのだ。
ページをめくることで、私はいっとき家からはなれ、夢の世界を歩き出すことができた。
孤独な主人公とともに深い森を歩きまわり、たくさんの冒険をする。
次々とおそいかかるピンチをのりこえ、さまざまな人々と出会う。
家のなかだから遠慮なく一人ごとも言える。
　「うおおお！」
　「あぶない！」
　「オオハグレー！」
がんがん叫んでわんわん泣いて、エキサイトしながら一冊読んだ。
楽しかった。
すっごく楽しかった。
子どもの頃、夢中になって読んだたくさんの物語を思い出した。
物語ってすばらしい。
ファンタジーってすばらしい。

本が好き。
小説が好き。
物語が好き。

だけど時々、困るときがある。
いわゆる名作とか話題作、人気の作品を読んで
　「つまんねー」
と思ってしまうことが多いから。
賞をとったり映画化されたりして、友達が
　「あの本すっごくよかったよねー！」
って盛り上がってたら、もうその話に加われない。
感想をきかれたら
　「あー、うー、えー」
と唸ってしまう。
たまに
　「死ぬほど退屈だった」
と正直な発言をすると、とんでもないことになる。
人は誰でも、自分の好きなものを批判されたくないから。
みんな一緒じゃなきゃいけないのが日本人だから。
　「あの素晴らしさがわからないなんて」
　「変わってる」
と言われかねない。
好みはそれぞれ、千差万別、蓼食う虫もなんとやら。
ひとの感性を受け入れるのは難しい。

というわけで、まわりが絶賛していた村上春樹の『１Ｑ８４』を読み始めようかと思います。
恐る恐る。
おもしろかったらいいなあ。

子供の頃から怪談を読むのが好きだった。
小心者だから、オバケ屋敷にも入れないし映画やテレビのホラー映像も一人では見たくない。
でも、本は別。
活字にされると「お話」って思えるから。
怖いより楽しい。
小学５年生のとき実行していた『一番楽しい怪談の読み方』は
　「診察時間の終わった病院の、薄暗い待合室でひとりで読む」
というものだった。

大人になってからはあまり読まなくなっていたのだが。
ふと思いついて、ネットで怪談をさがして読み始めたらおもしろかった。
それで部屋の電気をぜんぶ消してみようと思いついた。
深夜２時。
真っ暗な部屋でひとり、iPod touchで読む怪談。
雰囲気最高！
めっちゃ怖い！

・・・って思ったけど、灯りを消したら３秒くらいで寝てしまってた。
怪談、ぜんぜん読めてなかった。
こんどは、眠れない夜に試そう。