朝、明るい光で目が覚めた。
窓の外がまぶしい。
世界はうっすらと雪化粧している。
私は二階へ駆けあがり、子供たちを叩き起こした。
「雪だよ!」
たった1~2センチの、積雪ともいえないくらいの量だったけど
南国で生まれ育った姪っ子にとっては人生で初の雪だった。
「ゆきだるまつくって!」
とせがむので、ほんのちょびっとの雪をかきあつめた。
それからギャアギャア騒ぎながら雪合戦をやった。
(「ぶっさいくー!」)
母は車椅子にすわって窓の雪を眺めていた。
庭に降りしきる雪をながめて
「きれいね」
とつぶやいた。
「オーストラリアに、かえりたくないな。にほんがすき。」
と梅ちゃんがいった。
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