在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~
独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
謎の小箱
昨日は暴風雨のために出かけられなかったから
「おじいちゃんの部屋の掃除をしよう」
と母が言いだした。
祖父は「捨てられない一族」の筆頭だった。
部屋は膨大な数の本やノートや置物や食器で埋め尽くされていて、亡くなって数年を経た今でもまだ片付けきれていない。
「今日はこの棚をやっつけよう」
と決め、ゴミ袋を広げてどんどん放り込んだ。
昔のマンガのカップ。
古い救急箱。
プラスチックの器。
最後に、一番上の引き戸をあけた。
堅かったので力をこめたら壊れてしまった。
私が触れるまで何十年間もとざされていたのだろう。
中には、ブリキの小箱が一つだけ。
そうとうな年代ものだ。
もしかしたら戦前のものかもしれない。
「何が入ってるのかな?」
今までにも、祖父の部屋からは突拍子もないお宝がいろいろと発掘されている。
80年前の教科書とか。
ご先祖様の手紙とか。
軍隊の教則本とか。
昭和初期のエロ本とか。
「どうせだったら宝石が入ってたらいいのに。
もしくは宝の地図とか・・・。」
私はちょっと夢をみた。
一瞬だけど夢をみた。
ワクワクした。
ドキドキした。
緊張気味に小箱をあけた。
・・・あけたら。
空っぽだった。
空っぽ。
数十年前の空気よりほかに何も入っていなかった。
収集癖のある爺様のことだから、「何かの折に使うかもしれない」と、古い空き箱だか弁当箱だかを後生大事にしまっておいたものだと思う。
期待したぶん、腹が立った。
「意味分らんわーーー!」
天に向かって叫んでみた。
「ちょっと遅めのエイプリルフールでしゅ」
どこかでお爺の笑う声が聞こえた、ような気がした。
「おじいちゃんの部屋の掃除をしよう」
と母が言いだした。
祖父は「捨てられない一族」の筆頭だった。
部屋は膨大な数の本やノートや置物や食器で埋め尽くされていて、亡くなって数年を経た今でもまだ片付けきれていない。
「今日はこの棚をやっつけよう」
と決め、ゴミ袋を広げてどんどん放り込んだ。
昔のマンガのカップ。
古い救急箱。
プラスチックの器。
最後に、一番上の引き戸をあけた。
堅かったので力をこめたら壊れてしまった。
私が触れるまで何十年間もとざされていたのだろう。
中には、ブリキの小箱が一つだけ。
そうとうな年代ものだ。
もしかしたら戦前のものかもしれない。
「何が入ってるのかな?」
今までにも、祖父の部屋からは突拍子もないお宝がいろいろと発掘されている。
80年前の教科書とか。
ご先祖様の手紙とか。
軍隊の教則本とか。
昭和初期のエロ本とか。
「どうせだったら宝石が入ってたらいいのに。
もしくは宝の地図とか・・・。」
私はちょっと夢をみた。
一瞬だけど夢をみた。
ワクワクした。
ドキドキした。
緊張気味に小箱をあけた。
・・・あけたら。
空っぽだった。
空っぽ。
数十年前の空気よりほかに何も入っていなかった。
収集癖のある爺様のことだから、「何かの折に使うかもしれない」と、古い空き箱だか弁当箱だかを後生大事にしまっておいたものだと思う。
期待したぶん、腹が立った。
「意味分らんわーーー!」
天に向かって叫んでみた。
「ちょっと遅めのエイプリルフールでしゅ」
どこかでお爺の笑う声が聞こえた、ような気がした。
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