在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~
独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
ジーンズの穴
大事にしていたジーンズが古くなってしまった。
裾や腿やあちこち擦り切れた。
お尻にまで小さい穴があいちゃった。
でもなかなか捨てられない。
旅行中にはいていたジーンズだから思い入れがある。
傷だって、この傷は遺跡でひっかけたもの、この傷は長距離バスに乗っていたときのもの、という具合。
ちょっとくらいのダメージは「ジーンズだから古着風になっていいや」と思い、家着にしてずっとはいていた。
ところが今日。
そのままスーパーに行ってしまった。
お尻のところに穴のあいたジーンズはいて。
小指の先くらいの小さな穴なんだけど、さすがに恥ずかしいのでエコバッグで隠して歩いてた。
でもまあ、誰も気づかないだろう。
ちょっとほつれてるだけだし。
おばちゃんのお尻なんて誰も見ない。
そう考えたので、ジーンズの穴のことなんかじきに忘れてしまった。
そしてレジに並んだとき。
視線を感じた。
ふりむくと、後ろに並んでいたちっちゃな子が、私にむかって人差し指をのばしかけていた。
ジーンズの穴を指でほじくる気でいたらしい。
ちょうど子供の目の高さだもんなあ。
母親が大慌てで引き戻してたけど。
めっちゃ気まずかった。
・・・捨てよっか。
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少年時代の終わりに
若い子が
「ちょっと相談したいことがあるんです」
真面目な顔できりだしたから、何かと思ったら
「僕、あと10日で二十歳になるんです」
という。
おめでとう!
「いや、十代が終わっちゃうんですよ。
あと10日しかないんです。
何かありますか?
『十代のうちにコレやっとけ』ってこと」
そんなこときかれても。
おばちゃんが十代だったのはずいぶん昔だからな。
男の子のことはわからんわ。
会話を切り上げようとしたが、彼の顔は真剣だった。
「なんか、焦っちゃって」
うつむいて呟いた。
若くても人生いろいろあるのだろう。
じゃあさ、すっごく恥ずかしいことやっとけばいいよ、って無責任なこと言うてみた。
十代だから、若いから、許されること。
それはきっと恥をかくことだ。
失敗して、アホなことして、でっかい恥かいときなよ今のうちに。
・・・でもひとに迷惑かけない、自分が死なない程度のアホな?
「はい」
と彼は笑った。
これだからおばちゃんは、と思ったのかもしれないけど。
私は二十歳のときって何してたっけ?
インド行ってたっけ?
遊ぶことしか考えてなかった気がする。
いまどきの草食系男子は、どんな未来を夢みているるのだろう。
「ちょっと相談したいことがあるんです」
真面目な顔できりだしたから、何かと思ったら
「僕、あと10日で二十歳になるんです」
という。
おめでとう!
「いや、十代が終わっちゃうんですよ。
あと10日しかないんです。
何かありますか?
『十代のうちにコレやっとけ』ってこと」
そんなこときかれても。
おばちゃんが十代だったのはずいぶん昔だからな。
男の子のことはわからんわ。
会話を切り上げようとしたが、彼の顔は真剣だった。
「なんか、焦っちゃって」
うつむいて呟いた。
若くても人生いろいろあるのだろう。
じゃあさ、すっごく恥ずかしいことやっとけばいいよ、って無責任なこと言うてみた。
十代だから、若いから、許されること。
それはきっと恥をかくことだ。
失敗して、アホなことして、でっかい恥かいときなよ今のうちに。
・・・でもひとに迷惑かけない、自分が死なない程度のアホな?
「はい」
と彼は笑った。
これだからおばちゃんは、と思ったのかもしれないけど。
私は二十歳のときって何してたっけ?
インド行ってたっけ?
遊ぶことしか考えてなかった気がする。
いまどきの草食系男子は、どんな未来を夢みているるのだろう。
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虹
昨日、仕事のまえに更衣室で
「仕事イヤやな」
「めんどくさいな」
と、おしゃべりしていたら。
出勤してきた先輩が
「今、虹でてるよ」
と教えてくれた。
「わあ!」
「虹!?」
「見にいこ!」
みんなで駆け出した。
廊下ですれ違った上司が
「なんやなんや、どうした?」
と目を丸くする。
「そうか、虹か、わしも見たい!」
制服のまま靴を履き替え、外にでる。
日の暮れかけた空に大きな虹がひかっていた。
汗と油と騒音にまみれた町の空にかかる虹。
でもその美しさは、緑の山脈にかかる虹とも、大陸の荒野にかかる虹ともなんらかわらない。
汚れなき光は、見る者の心まで洗いながしてくれる。
なんという爽やかさだろう。
ひとしきり眺めて携帯で写メして、
「仕事、しよっか」
「がんばろっか」
呟いて、入った。
昨日は、あんまりミスしなかったと思う。
「仕事イヤやな」
「めんどくさいな」
と、おしゃべりしていたら。
出勤してきた先輩が
「今、虹でてるよ」
と教えてくれた。
「わあ!」
「虹!?」
「見にいこ!」
みんなで駆け出した。
廊下ですれ違った上司が
「なんやなんや、どうした?」
と目を丸くする。
「そうか、虹か、わしも見たい!」
制服のまま靴を履き替え、外にでる。
日の暮れかけた空に大きな虹がひかっていた。
汗と油と騒音にまみれた町の空にかかる虹。
でもその美しさは、緑の山脈にかかる虹とも、大陸の荒野にかかる虹ともなんらかわらない。
汚れなき光は、見る者の心まで洗いながしてくれる。
なんという爽やかさだろう。
ひとしきり眺めて携帯で写メして、
「仕事、しよっか」
「がんばろっか」
呟いて、入った。
昨日は、あんまりミスしなかったと思う。
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