在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~
独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
上がれない階段はない!
ドラマを見ていた。
始まったばかりの新ドラマ。
といっても、スマホをいじりながらなんとなく流していただけだ。
なのに突然。
ドラマのセリフが、ガツンと突き刺さってきた。
「上がれない階段はない!」
それは主人公が思い切ったことを始めるための第一歩を踏み出す瞬間だった。
階段というのは比喩表現だ。
やればできるというような。
だけど
「上がれない階段はない」
という台詞を発したその子は、車椅子に乗っていた。
車椅子では階段は上がれない。
そんなの誰でも知っている。
彼が一番よく知ってる。
それでも彼は言ったのだ。
「上がれない階段はない」
と。
なんだか嬉しかった。
車椅子でも、勇気をだし、知恵をだし、声をあげれば、上がれない階段はない。
高い高い階段のてっぺんにあるウィーンにだって上がれる。
そういわれてる気がしたから。
ぜんぜん関係のないことに思いを馳せてしまい、ドラマのあらすじは覚えていません。
始まったばかりの新ドラマ。
といっても、スマホをいじりながらなんとなく流していただけだ。
なのに突然。
ドラマのセリフが、ガツンと突き刺さってきた。
「上がれない階段はない!」
それは主人公が思い切ったことを始めるための第一歩を踏み出す瞬間だった。
階段というのは比喩表現だ。
やればできるというような。
だけど
「上がれない階段はない」
という台詞を発したその子は、車椅子に乗っていた。
車椅子では階段は上がれない。
そんなの誰でも知っている。
彼が一番よく知ってる。
それでも彼は言ったのだ。
「上がれない階段はない」
と。
なんだか嬉しかった。
車椅子でも、勇気をだし、知恵をだし、声をあげれば、上がれない階段はない。
高い高い階段のてっぺんにあるウィーンにだって上がれる。
そういわれてる気がしたから。
ぜんぜん関係のないことに思いを馳せてしまい、ドラマのあらすじは覚えていません。
PR
スポンサードリンク
母スイッチ
先日、母をつれて出かけた時のこと。
「トイレに行きたい」
というので車椅子マークのついたトイレに入った。
苦手な左手すりだけど、まあいいや。
頑張ろうねお母さん。
よっこらしょ、と手すりをもって立ち上がり。
ズボンと紙パンツを下ろす。
お尻を出した状態で方向転換し、一気に便器に座る。
なんとか無事に座れたねー。
と。
ここで気がついた。
私の足元にウンチが落ちていることに!
「おっとー!」
思わず大声をあげる。
「踏んでもうたーーーー!」
床が汚れていることに、ぜんぜん気づいていなかった。
前の人のウンチだよねこれ・・・。
ちゃんと掃除しといてよ・・・。
愚痴っていたら母が
「あ、それ、私の私の」
と手を挙げた。
方向転換のときにコロンと出てしまったらしい。
出たなら出たって言ってほしい。
「ごめんごめん」
母はケラケラと笑っている。
除菌シートで床を掃除していると、
「ごめんね」
笑いを消して、母は言った。
「汚いことさせてごめんね」
ぜんぜん平気だよ。
と、私は答える。
本当に平気。
汚いとさえ思わないほどに。
さっきは知らない人のウンチを踏んだと思って「わっ!」と声をあげたんだけど。
母のだと分かると一瞬で「なーんだ」という気持ちになった。
平気になった。
誰のものでも汚物に違いはないのに。
それはまるでスイッチが切り替わったかのようだった。
働いていた頃、「仕事スイッチ」が入ると虫でも蛇でも掴めたように。
今は「母スイッチ」が入ると何でもOKなのだろう。
ちなみに、健側に手すりがあるときは、こういう失敗はほとんどありません。
麻痺側の移乗は難しいです。
「トイレに行きたい」
というので車椅子マークのついたトイレに入った。
苦手な左手すりだけど、まあいいや。
頑張ろうねお母さん。
よっこらしょ、と手すりをもって立ち上がり。
ズボンと紙パンツを下ろす。
お尻を出した状態で方向転換し、一気に便器に座る。
なんとか無事に座れたねー。
と。
ここで気がついた。
私の足元にウンチが落ちていることに!
「おっとー!」
思わず大声をあげる。
「踏んでもうたーーーー!」
床が汚れていることに、ぜんぜん気づいていなかった。
前の人のウンチだよねこれ・・・。
ちゃんと掃除しといてよ・・・。
愚痴っていたら母が
「あ、それ、私の私の」
と手を挙げた。
方向転換のときにコロンと出てしまったらしい。
出たなら出たって言ってほしい。
「ごめんごめん」
母はケラケラと笑っている。
除菌シートで床を掃除していると、
「ごめんね」
笑いを消して、母は言った。
「汚いことさせてごめんね」
ぜんぜん平気だよ。
と、私は答える。
本当に平気。
汚いとさえ思わないほどに。
さっきは知らない人のウンチを踏んだと思って「わっ!」と声をあげたんだけど。
母のだと分かると一瞬で「なーんだ」という気持ちになった。
平気になった。
誰のものでも汚物に違いはないのに。
それはまるでスイッチが切り替わったかのようだった。
働いていた頃、「仕事スイッチ」が入ると虫でも蛇でも掴めたように。
今は「母スイッチ」が入ると何でもOKなのだろう。
ちなみに、健側に手すりがあるときは、こういう失敗はほとんどありません。
麻痺側の移乗は難しいです。
スポンサードリンク
「ボケたおばあちゃんのいうことなんて」
妹が
「のせ猫っていうのが流行ってるらしいよ」
っていうので、とりあえず猫になんか乗せてみた。
ちょっと違うかなあ。
さて。
姪っ子の梅ちゃん(6才)は漢字が苦手だ。
海外暮らしだからまあ仕方がない。
日本にいるあいだくらいはと、母が教えているのだけれど、うまくいかない。
2人で宿題をしていたはずなのに
「おばあちゃんが変なこというの!」
と困ったように訴えてくる。
「『いつか』ってどう書くのかきいたら、おばあちゃんは『五日』だっていうの」
うん?
いつか=五日?
合ってるよ?
「ちがうもん!それは『ごにち』だもん!」
ごにち、って書いて、いつか、って読むんだよ。
「ええー、そうなの?」
びっくり顔の孫のとなりで母は途方に暮れている。
「さっきから何度も教えてるんだけど、梅ちゃん、信じてくれないの」
梅ちゃんは、おばあちゃんが大好きだ。
おばあちゃんのベッドでテレビを見るのが大好きだし、リハビリも毎日付き合ってくれるし、毎晩おやすみなさいを言いに来る。
ただ、母は半側空間無視のせいで文字がうまく読めない時がある。
短期記憶もダメで、ごはんを食べたことも忘れるし、今日が何月だかもわかってないし、おんなじことばかり言うし、ひとの言葉をオウム返しするし、ありもしないことばかり言っている。
・・・そんなおばあちゃんの言うことだから。
と子供心に思うのだろう。
「ボケたおばあちゃんのいうことなんて信じられないみたいなの」
母は悲しそうに笑った。
他の問題を見せてもらったら、梅ちゃんは
「車」
という字をこんなふうに書いていた。
車が横転している。
母が横から書いてみせた字をそのまま写したらしい。
字がひっくり返っていることに気づいてない時点で、母ひとりで勉強をみるちょっと難しいのかもしれないと思った。
読み書きも計算も、問題ないんだけどなあ・・・。
「のせ猫っていうのが流行ってるらしいよ」
っていうので、とりあえず猫になんか乗せてみた。
ちょっと違うかなあ。
さて。
姪っ子の梅ちゃん(6才)は漢字が苦手だ。
海外暮らしだからまあ仕方がない。
日本にいるあいだくらいはと、母が教えているのだけれど、うまくいかない。
2人で宿題をしていたはずなのに
「おばあちゃんが変なこというの!」
と困ったように訴えてくる。
「『いつか』ってどう書くのかきいたら、おばあちゃんは『五日』だっていうの」
うん?
いつか=五日?
合ってるよ?
「ちがうもん!それは『ごにち』だもん!」
ごにち、って書いて、いつか、って読むんだよ。
「ええー、そうなの?」
びっくり顔の孫のとなりで母は途方に暮れている。
「さっきから何度も教えてるんだけど、梅ちゃん、信じてくれないの」
梅ちゃんは、おばあちゃんが大好きだ。
おばあちゃんのベッドでテレビを見るのが大好きだし、リハビリも毎日付き合ってくれるし、毎晩おやすみなさいを言いに来る。
ただ、母は半側空間無視のせいで文字がうまく読めない時がある。
短期記憶もダメで、ごはんを食べたことも忘れるし、今日が何月だかもわかってないし、おんなじことばかり言うし、ひとの言葉をオウム返しするし、ありもしないことばかり言っている。
・・・そんなおばあちゃんの言うことだから。
と子供心に思うのだろう。
「ボケたおばあちゃんのいうことなんて信じられないみたいなの」
母は悲しそうに笑った。
他の問題を見せてもらったら、梅ちゃんは
「車」
という字をこんなふうに書いていた。
車が横転している。
母が横から書いてみせた字をそのまま写したらしい。
字がひっくり返っていることに気づいてない時点で、母ひとりで勉強をみるちょっと難しいのかもしれないと思った。
読み書きも計算も、問題ないんだけどなあ・・・。
スポンサードリンク