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在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~

独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
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びっくり

母は倒れてから50日間、鼻からチューブを通して栄養を摂っていた。
 「早く甘いものが食べたいねえ。」
 「コーヒーが飲みたいねえ。」
そんなことばかり言ってた。
リハビリ病院に転院したらメキメキよくなって、すぐ食べられるようになるよ。
私はいつもそう返していたものだ。
なのに転院の疲れか熱がでて、リハビリもあんまりできない状態が続いていた。
いつになったら鼻チューブ抜けるんだろうって毎日考えてた。

そしたら。
このあいだ病室をのぞくと、母は片手でコップをもち、ふつうにお茶を飲んでいた。
・・・これは夢か?
あんまりにもびっくりして、戸口でポカンとしていると、母のほうが私に気づいた。
私を認めて、手を振った。
これも初めてのことだった。
いままでは目の焦点が合わず、私のことが見えてるかどうかも怪しかったのに!
・・・何が起こったの?
看護師さんに尋ねたら
 「昨日からゼリーを食べる『練習』を始める予定だったんですけど。 
 ちょうど鼻チューブを交換する日だったので、先生が
  『ついでだから抜いてみよっか』
 って言って。
 勢いで抜いちゃったんです。
  それでご飯まで食べちゃいました!」
うん。
まあ。
人生、勢いって大事だよな。
母の食卓をみれば、おかゆ状にすりつぶしてはあるものの、一人前の普通の量。
 「食事するの50日ぶりだと思うんですけど、こんなに食べて大丈夫なんですか?」
 「・・・さあ・・・」
私の問いかけに、看護師さんはあいまいに笑っていた。
 「おいしいよ!」
母はパクパク食べていた。
よくわからんけど、結果オーライ。
・・・ああ、びっくりした。

お腹が満たされたせいか、母は元気になった。
よく食べよくしゃべりよく笑うようになった。
でもやっぱり、頭の焦点がちょっとピンぼけ。
自分が病気だということ、入院していることをどうしても理解できない。
 「明日はおいしいコーヒーを飲みにいこうね」
といっていた。
私は
 「そうだね、フロインドリーブいこう」
って返した。
ちょっと遠い明日。
でも、いつか来るだろう明日。
待ち遠しい明日。
おいしいコーヒーとケーキが待っている明日。
そんな明日がきっと来る。

『地球の迷子』更新しました。
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初めましての方へ

母:高次脳機能障害、要介護5
妹:重度重複障害者
父:天然ボケ
猫:2匹
こんな家での暮らしを綴っています。
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