在宅介護しながらウィーンへ行くブログ～猫とビターチョコレート～

『沈黙は金』。
本当にそう思う。
いわゆる「痛い人」って絶対しゃべりすぎるんだよね。
自分のことばっかりしゃべるの。
自慢とか家族のこととか聞き手に関係ないことばっかり一方的にだらだらしゃべる。
どうでもいい説明とかね。
意味もなければオチもない。
そんで自分のこと「おしゃべり好きで明るい」とかって思ってるの。
大きな勘違いだよね。
それは明るいんじゃない。
うるさいだけ。
うざいだけ。
・・・あ。
自分のことだった。

若い頃は、おもろい喋りができるおばちゃんになりたいと思ってた。
関西人だから。
笑えるネタを笑えるようにしゃべりたいと思った。
でも今は、聞き上手になりたいと思う。
楽しい話だけじゃない。
悲しい話を聴ける人になりたい。
ドラマではよく、劇的な一言で主人公が心を入れ替えたり立ち直ったりするけど、現実にはたいてい、言葉なんて無力だ。
泣きたいときに泣かせてくれる沈黙のほうがずっと雄弁なこともある。
何もいわないことに慰められることもある。
私のまわりにはそれができる人が何人もいる。
黙ってうなずいてくれる友達。
微笑んでくれる親戚。
深い懐で受けとめてくれる先輩。
そういうひとたちのおかげで、今、私はなんとかやっていけてる。
本当にありがたかった。
だから私も。
ひとが困っているときにべらべら口出しをするんじゃなく、黙って話を聴いてあげられるおばちゃんに、いつか、なりたい。