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在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~

独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
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逆回転

昔から「タイムスリップもの」の物語が好きだ。
アトリーの『時の旅人』、
ピアスの『トムは真夜中の庭で』、
筒井康隆の『時をかける少女』、
宮部みゆきの『蒲生邸事件』。

だけどそれらはお話だ。
現実に時を旅することなどできない。
朝ドラだって言っているじゃないか。
 「人生は逆回転できない」。
って。
人生は一度きり。
時計の針を戻すことはできないんだ。

・・・って、

戻っとる!!!!!


(短い映像ですが)

家の時計が逆回転してました。
完全に時をさかのぼっていました。
秒針も短針も長針も。
チクタク、チクタク。
時をさかのぼっていく。
私を過去へとつれていく。
SFの世界にまぎれこんだような錯覚におちいり、しばしフリーズしてました。

時計はもちろん壊れてただけ。
SFじゃない。
だけどちょっと思った。
時計はもしかしたら、家の空気を吸い込んで、ああなったのじゃないかって。
だって妹がときどき泣いてるから。

母が倒れて半年もたつというのに、重い障害をもつ妹はまだそれを受け入れられない。
生まれてからずっと世話してくれていた母は、妹の手であり足であり口になってくれる存在だった。
全世界の中心だった。
母が倒れたということは、太陽が倒れたみたいなものなのだ。
実際にはいろんな人が介護をしてくれて妹は支障なく暮らしているのだけど。
母は変わってしまった。
もう二度と、母が自分を世話してくれることはない。
もう二度と、母がバイオリンを弾くことはない。
もう二度と。
元には戻らない。
何もかも。
戻らない。
妹は不自由な口で「ママ」と呼びながらさめざめと泣いてた。
私はただ、「大丈夫、お姉ちゃんがいるよ」ってアホみたいな台詞をいうことしかできなかった。

逆回転する時計をみるとそんな妹のことを連想したのだ。
ついでに、無力すぎる自分のことも思い出して腹がたってきた。

ええい!
ジメジメすんな!!!!


私は時計をバシバシ叩いた。
時計は完全にストップした。
 「壊れたんやったら捨てるぞ!」
脅してもきかない。
あたりまえか。
で、電池をいれかえてみた。
時計の針はアッサリと、未来へむかって時を刻みはじめた。

時をさかのぼる物語は好きだ。
だけど私たちは前へ進まなくちゃいけないから。
立ち止まってちゃいけないから。
私はなんとかして妹の針も進ませてやらなくちゃいけない。
来週はあの子も誕生日で、またひとつ年をとる。
絵本でも買ってやろうかなあ。
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初めましての方へ

母:高次脳機能障害、要介護5
妹:重度重複障害者
父:天然ボケ
猫:2匹
こんな家での暮らしを綴っています。
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