在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~
独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
26秒の奇跡
今年の春、母がリハビリ病院に転院したとき、主治医はきっぱりこう言った。
「どんなによくなっても、自力では立つことはできないでしょう。
また歩けるようになるなんて夢はみないでください。」
だから私は捨てたんだ。
いらない夢は捨てたんだ。
だけど母は捨ててなかった。
現状を把握できないせいもあるけれど。
「早く社会復帰したいから」
と、リハビリをすごく頑張った。
毎日2時間半を週7日。
愚痴は一切こぼさなかった。
しんどいからやめるとか、つらいから今日は休みたいなんて、一度も言わなかったと思う。
おかげで退院するころには2人介助でトイレを使えるようになっていた。
家に帰ってからは自分たちでもリハビリをする。
マッサージとストレッチ。
ベッドでの端座位。
そして立位。
洗面所に手すりをつけてもらった。
つかまり立ちの練習のためだ。
右手で手すりをつかんで立ち上がる。
左半身は私が支えているのだけれど。
このあいだ、すごく調子のいい日があって。
バランスよく立てる日があって。
そうっと手を放してみた。
26秒間、母は自分で立っていた。
「おとーさん!!!!」
私は親父を呼んだ。
「お父さんこれみて、ちょっと来て!!!」
大声で呼んだ。
必死で呼んだ。
「おかーさん自分で立ってるよ、すごいよ!!!」
だけど親父は韓流ドラマに夢中で気づいてくれなかった。
(あとで見に来た。)
残念ながら、立てたのはその日一度きりのことで、今日はぜんぜんダメだった。
頑張りすぎは逆効果。
ゆっくりやらなければいけない。
夢はみない。
できたらいいな、なんて夢はみない。
ただ、前を。
前だけを見てる。
「どんなによくなっても、自力では立つことはできないでしょう。
また歩けるようになるなんて夢はみないでください。」
だから私は捨てたんだ。
いらない夢は捨てたんだ。
だけど母は捨ててなかった。
現状を把握できないせいもあるけれど。
「早く社会復帰したいから」
と、リハビリをすごく頑張った。
毎日2時間半を週7日。
愚痴は一切こぼさなかった。
しんどいからやめるとか、つらいから今日は休みたいなんて、一度も言わなかったと思う。
おかげで退院するころには2人介助でトイレを使えるようになっていた。
家に帰ってからは自分たちでもリハビリをする。
マッサージとストレッチ。
ベッドでの端座位。
そして立位。
洗面所に手すりをつけてもらった。
つかまり立ちの練習のためだ。
右手で手すりをつかんで立ち上がる。
左半身は私が支えているのだけれど。
このあいだ、すごく調子のいい日があって。
バランスよく立てる日があって。
そうっと手を放してみた。
26秒間、母は自分で立っていた。
「おとーさん!!!!」
私は親父を呼んだ。
「お父さんこれみて、ちょっと来て!!!」
大声で呼んだ。
必死で呼んだ。
「おかーさん自分で立ってるよ、すごいよ!!!」
だけど親父は韓流ドラマに夢中で気づいてくれなかった。
(あとで見に来た。)
残念ながら、立てたのはその日一度きりのことで、今日はぜんぜんダメだった。
頑張りすぎは逆効果。
ゆっくりやらなければいけない。
夢はみない。
できたらいいな、なんて夢はみない。
ただ、前を。
前だけを見てる。
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