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在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~

独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
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無敵の腹をもつ男

うちの親父は、無敵の腹をもつ男。
お腹をこわしたことがない。
何を食べてもへっちゃらだ。
腐ったおかずでもカビの生えたパンでもドンと来い。
完食してから
 「これちょっと古くなってたぞ」
と教えてくれる。
冷蔵庫の奥に眠っていた2週間前のご飯でも
レンジでチンして
 「おいしかった」
と言っている。

自分が頑丈なものだから、古くなった食べ物は危ない、ということがわからない。
そういう概念がない。
勤め先の女子社員が『お腹すいた』というのを聞いて
 「これ、やるわ」
と机のひきだしから鳩サブレーを取り出した。
 「ちょっと割れてるけど食えるやろ」
ところがサブレを受け取った女子社員は絶叫した。
 「賞味期限が8年前!」
・・・帰宅後、父は愚痴っていた。
 「なんや、おかしなこと言いよるねん。
  せっかく俺が秘蔵のお菓子をあげたのに、8年前のだから食えないって」
おかしいのは、アンタや。
8年は秘蔵しすぎやろ。

常識がないにもほどがある、ほんとうに危ないんだと、私はそれから毎日のように賞味期限、消費期限の意味を説明し、
 「ひとさまには古いものを出さないように」
と教えなければいけなかった。
ペットボトルの飲料水も古くなるとダメなんだよって教えると
 「えっ、水が腐るのか? ほんまにか?」
めっちゃ聞いてきた。
いっぺんくらい当たればいいのに。

近頃では会社の人たちも理解してくれたようで
 「お菓子いっぱいくれよるねん」
としょっちゅう何か持って帰ってくる。
 「みんなが、『これ賞味期限すぎてるけど食べる?』って持ってくるねん」
・・・まるで庭先のポチのごとく。
親父の使い方を理解してくれたようである。
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母:高次脳機能障害、要介護5
妹:重度重複障害者
父:天然ボケ
猫:2匹
こんな家での暮らしを綴っています。
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