忍者ブログ

在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~

独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
04«  2026/05  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31   »06
Admin | Write | Comment

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


スポンサードリンク

きのうから明日へ

母は脳出血で倒れてから2週間ほど眠っていた。
うっすらと目をひらくようになったのは今週に入ってから。
見えているかはわからない。
耳は正常かもしれないと、CDを聴かせたり耳元で話しかけたりしている。
今日は録音した梅ちゃんの声を・・・4歳の孫娘の声を聞かせていた。

 「バイオリンで『こぎつねこんこん』やってるんだけど!
 すっごくじょうずなんだけど!
 いっかい歌うね!

♪ こぎつねこんこん
 やまのなか やまのなか
 うめちゃんかわいい
 マミィとダディ
 だからダディはだいすきよ~」

 「ひどい替え歌だな!」
私が思わず笑った、そのとき。
母のくちもとが微妙に歪んだ。
瞼のすきまにのぞく瞳には、明らかに光がやどっている。
・・・笑おうとしてる?
わたしは母の手をにぎった。
母はその手をにぎりかえした。
神経の反射だと思うんだけど、それでも嬉しかった。
 「お母さん、見えてる?」
もう一度、顔をのぞきこむ。
こんどは瞳が動いた。
私を見てる。
・・・ああ、お母さんだ、と思った。
頭が丸坊主で
入れ歯もぜんぶはずされて
鼻にはチューブが通ってて
ほとんど90歳のお爺ちゃんみたいな姿だけど
それでもその一瞬の表情は、懐かしい母の顔だった。
 「いってらっしゃい。楽しんでおいで」
とあの夜、私を旅に送りだした母の顔だった。

私は今までいっぱいいっぱいすぎて、ゆっくり感じている暇がなかったのだと思う。
2週間あまり過ぎた今日はじめて、それが本当に母なのだと心で認識したのかもしれない。

帰り道、やたらと泣けてきた。
嬉しいのか悲しいのか自分でもわかんない。
涙と鼻水でぐちょぐちょになって止まらなかった。
カーステレオでいつも聞いてる歌さえも、違う意味をもってきこえてきた。
 「明日になりゃ、何もかわらぬ everyday・・・」

何もかわらぬ毎日なんてない。
きのうは永遠に戻ってこない。
ひたすらに明日へとすすんでいく。
だから毎日が、1日1日が、こんなにも大切なんだ。

明日は、もしかしたら母はもっと大きく目をあけられるかもしれない。
明後日は、自分の意志で手を握りかえすかもしれない。
母も少しずつ少しずつ進んでいるのだ。
私だって負けずに進まなくちゃいけない。

そんなことを考えつつ、Superflyの曲にのって車をぶっとばしておりましたら、

危うくスピード違反でつかまるところでした。

あぶねええええええ!
PR


スポンサードリンク

はりめぐらされた母の愛

預金通帳や保険証書をひろげはじめると、かならず猫がやってきて
 「どや!」
と書類の上に座ってくれる。
 「金より大事なものがある!」
とでもいうのだろうか。
 「それは、俺様の、ゴハンだ!」
・・・猫ってどうしてこんなに邪魔なんだろう。



(アジャリ on the 預金通帳)

母は、どっさり保険をかけていた。
養老保険とか入院保険とかガン保険とか。
かんぽとかアフラックとかコープの共済とか。
数は多いしややこしいし、ワケがわからない!
まるでクモの巣だ!
エクセルで一覧表をつくるのに丸一日を費やした。

なんでそんなにかけるんだと、私も父も文句をいったことがある。
保険会社を肥やすだけじゃないか。
損をするんじゃないか。
だけどこうなってみると、エクセルで何時間もかかって一覧表をつくりあげてみると。
損得じゃないんだって思った。
母の愛を感じた。
 「お母さん、いっぱい考えてたんだろうねえ」
と、おばさんがいった。
もし何かあったら・・・って。
ややこしくてワケがわからなくって困っちゃうのは
 「あなたがちゃんとお母さんの話を聞いておかなかったのでしょ!」
と叱られた。
ほんとにな。
もっと話を聞いてあげればよかったんだ。
私はいつも反対してばかりだから、話したくなかったのだろうけれど。
でも・・・
それにしても・・・
書類が多すぎて・・・
保険証書が1枚どうしても見つからないのですよ!

ほんと、勘弁してください、母。


スポンサードリンク

夜を想う

布団に入ると夜を思う。
屋台にぎわうバンコクの夜を。
チャイの香りただようインドのドライブインの夜を。
星にうめつくされた白沙漠の夜を。
果てなき祭りがつづくジャマ・エル・フナの夜を。
さざ波とアシカたちの吠え声にみちたガラパゴスの夜を。
姪っ子たちが眠るオーストラリアの夜を。
慣れないケアホームで迎える妹の夜を。
病院で過ごしている母の夜を。

さまざまな夜の幻想に抱かれて、私は眠る。

おやすみなさい。
また明日。


スポンサードリンク

初めましての方へ

母:高次脳機能障害、要介護5
妹:重度重複障害者
父:天然ボケ
猫:2匹
こんな家での暮らしを綴っています。
詳しくはこちら

広告





ブログ内検索

プロフィール

メールはこちら

ランキング

<< BACK  | HOME |   NEXT >>
Copyright ©  -- 在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~ --  All Rights Reserved
Design by CriCri / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]