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在宅介護しながらウィーンへ行くブログ~猫とビターチョコレート~

独身のアラフォーが家族を在宅介護、やりくりしながらウィーン旅行を目指します
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母、幽霊に会う

母のアタマはかなりしっかりしてきた。
知り合いの名前とか、今日はどこに行ったとか、だいぶ思い出せるようになった。
それでもしょっちゅう妄想をみる。
左手のことを「ゆうこ」と呼ぶし。
私はときどき「偽物にすりかわってる」らしい。
そして母の世界では、今でも祖父が・・・お爺が生きている。

お爺が亡くなってから9年になる。
だけど母曰く
 「元気でそのへんを歩いてはる」
らしいのだ。
 「近頃、見ないけど、おじいちゃんはどこにいるの?」
と問いかけるときもある。
そんなときは
 『出かけてるよ。山小屋に泊まりに行ってるよ』
と答えることにしている。
たいていはそれで納得してくれるが
 「このあいだからずっと?長すぎない?」
とつっこんでくることもある。
同じ質問を何度もくりかえすときは、イライラして、たまに私も問い返す。
お爺のお葬式をやったの、覚えてる?って。
 「そんなの忘れるわけないじゃない!」
母は大きな声でいう。
 「あんたが弔辞を読んだんだよね。
  いいお葬式でしたねって今でも友達に言われるもん!」
じゃあさ、お葬式したってことは、お爺はもう死んだんだよね?
 「でも、いるもん。さっきもそこにいてはったもん!」
・・・ブレないなー。
どこからくるんだろうこの自信。
私はもう一言だけつっこんでみる。
お葬式したのにまだそこにいるんだったら、それ、幽霊じゃない?
 「ちょっと! 怖いこと言わないでよ!」
いや、怖いこと言ってるのはアンタだよ!

母がつかっている部屋はもともと祖父母のために建て増した部屋だ。
かつては祖父母と2匹の犬がここで暮らし、順番に寝つき、いなくなっていった。
そして母は昔からちょっぴり『視える人』だ。
つまり・・・。
それは・・・。
あの部屋、ラップ音がめっちゃうるさいんです。
静かにしてください、お爺。

母の妄想の半分は願望からうまれてくる。
もしかしたら母はお爺に会いたいのかもしれない。
もしかしたらお爺が母に会いにきているのかもしれない。
お爺は生前ふざけて
 「ぼくが死んだら幽霊になって出てきてあげましゅ!」
といっていた。
まあ、どちらにしろ迷惑な話。
・・・めんどくさいから出てこないでください、お爺。
誰もいないはずの2階でがたがた音がするのはちょっと嫌。

お爺自身は幽霊なんて信じていませんでした。
私はいた方が楽しいかな。
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母:高次脳機能障害、要介護5
妹:重度重複障害者
父:天然ボケ
猫:2匹
こんな家での暮らしを綴っています。
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